この記事は2026年5月時点の情報です。価格・在庫・販売状況は変動するため、最新情報は各販売店の公式サイトでご確認ください。
愛用していた香水がある日突然廃盤になる——これほど困ることはありません。メゾンマルジェラ「レプリカ マッチャメディテーション オードトワレ」は、抹茶ラテのような柔らかな甘さと瞑想的な落ち着きで多くのファンを魅了してきた香水です。しかし、米国Margiela公式サイトの廃盤カテゴリへの収録と、@cosmeの「生産終了」表示が示す通り、現在は正規流通を終えています。
本記事では廃盤の事実関係を整理したうえで、「マッチャメディテーションとどれだけ近いか」「日本で実際に入手できるか」という観点から、2025〜2026年の最新情報を踏まえた代替候補7選を正直に比較します。既存の紹介記事ではカバーされていない2025年発売の新作も含めて網羅しました。
マッチャメディテーションが廃盤に——何が起きたのか
「レプリカ マッチャメディテーション オードトワレ」は2021年5月21日に日本で発売されました。5月21日は国連が定める「国際お茶デー」にあたり、その日付を選んだリリースはブランドの遊び心を体現するものでした。調香を担当したのはSymrise所属のモーリス・ルーセルとアレクサンドラ・カーリンの2人。マルジェラのレプリカシリーズで唯一「日本」を舞台にした作品として、「2008年、東京」の茶室と瞑想のひとときを香りで再現するというコンセプトを掲げていました。発売時の国内正規価格は100ml ¥17,600、30ml ¥8,800、10ml ¥3,850でした。
廃盤の事実は、米国Margiela公式サイト(maisonmargiela-fragrances.us)でURLが「/discontinued/」配下に収録されたこと、および@cosmeに「こちらの商品は生産終了しました」と表示されたことで確認できます。ブランドから廃盤の正式なアナウンスや理由の説明はなく、天然香料の調達難などの憶測がファンの間で語られていますが、確認できる情報ではないため断定は避けます。
廃盤後の入手方法と偽物リスク——買うなら知っておくべきこと
廃盤後も中古・転売市場では流通が続いています。2026年5月時点の相場は、メルカリでは100ml未使用品が8,000〜18,500円前後、Yahoo!オークションでは美品が18,500〜26,998円と、発売時定価と同等かそれを上回る水準で取引されています。30mlクラスも1万円前後で安定しており、コレクター需要が続いていることがうかがえます。
注意が必要なのが偽物のリスクです。100mlが6,000円台など、定価の3分の1以下の出品は偽物の可能性を疑うべきです。真贋を確認する際は、Checkcosmetic.netでバッチコードを照合することが第一歩になります。本物のボトルは底面の刻印が精巧で、噴射時の霧がきめ細かく、箱のシールに厚みと光沢があります。また、保管環境が不明な並行輸入品は香料の酸化・変質リスクも念頭においておく必要があります。信頼できる出品者・店舗を選び、返品ポリシーを確認してから購入するようにしましょう。
マッチャメディテーションの香りを分解——なぜ唯一無二だったのか
代替候補を探す前に、マッチャメディテーションがどのような構造の香水だったかを把握しておくことが重要です。「抹茶の香水」という括りには方向性のまったく異なる作品が混在しており、構造を理解せずに選ぶと「思っていたものと違った」という失敗につながりやすいからです。
ノートは3段階で展開します。トップにはベルガモット、マンダリン、グリーンティーが開き、明るく爽やかな入り口をつくります。ミドルではジャスミン、マテ、マッチャ、オレンジフラワーが重なり、フローラルとグリーンが交差しながら抹茶ラテの質感を形成します。ベースにはホワイトチョコレート、モス、ベンゾインが広がり(日本公式資料記載。英語圏の香水データベースFragranticaではシダーウッドも記載されており、両成分が含まれている可能性があります)、クリーミーで甘い余韻が長く続きます。
この香水が「唯一無二」と評された理由は、ホワイトチョコレート×抹茶×ジャスミンという組み合わせの希少性にあります。抹茶香水の多くはグリーン系(爽やか・青々しい)かウッディ系(深みがある)に振れますが、マッチャメディテーションはグルマン(甘食系)の方向へ踏み込み、抹茶をまるでデザートのように仕立てました。調香師ルーセルが「Musc Ravageur」などで培った官能的でグルマン寄りの作風が、この方向性を可能にしています。似た構造の香水が市場に少ないことが、廃盤後にこれほど多くの難民を生み出した根本的な理由です。
代替香水7選——マッチャメディテーション難民を救う最新候補
以下の7選は「ホワイトチョコレートのクリーミーな甘さ」「抹茶ラテの質感」「全体の柔らかさ」の3要素を基準に、マッチャメディテーションとの香りの近さを5段階で評価しています。近さが低い商品が劣っているわけではなく、求める方向性が異なることを示しています。
| 商品名 | 主なノート | 日本での入手 | 参考価格 | 近さ |
|---|---|---|---|---|
| KAYALI Freedom Musk Matcha | 45 | 抹茶、マテ、オーツミルク、バニラ、プラリネ、ムスク | 並行輸入のみ | 10ml 約5,000〜6,000円 | ★★★★★ |
| d’Annam Matcha Soft Serve | 抹茶、ミルク、バニラ、ワッフルコーン | 海外取り寄せ | 50ml 約24,000円〜(送料別) | ★★★★☆ |
| Obvious Parfums Milk & Matcha | 抹茶、マンダリン、オレンジフラワー、バニラ、トンカビーン | DRESSKIN・楽天(並行) | 100ml 約20,000〜22,000円 | ★★★★☆ |
| Le Labo THÉ MATCHA 26 | 抹茶、フィグ、ベチバー、シダーウッド | 国内正規(Le Labo直営) | 50ml ¥26,950 / 100ml ¥41,250 | ★★★☆☆ |
| SHIRO ホワイトティー | ホワイトティー、シトラス | SHIRO直営・三越伊勢丹ほか | 40ml ¥4,180 | ★★★☆☆ |
| J-Scent ほうじ茶 | ほうじ茶、バニラ、ムスク、ラベンダー | @cosme STORE・蔦屋書店・伊勢丹ほか | 50ml ¥4,950 | ★★★☆☆ |
| Acca Kappa Mandarin & Green Tea | マンダリン、グリーンティー(爽やかシトラス系) | 並行輸入・輸入専門店 | 100ml 12,000〜14,000円前後 | ★★☆☆☆ |
① KAYALI Freedom Musk Matcha | 45——現時点で最も近い後継候補
2025年11月にSephoraアプリ先行で発売されたKAYALI(カヤリ)の新作です。調香師はAlexis Grugeon(dsm-firmenich)。トップに抹茶、マテ、ベルガモット、グリーンアップルが開き、ミドルにオーツミルク、バニラ、プラリネ、コーヒーが重なり、ベースにムスク、サンダルウッド、アンバー、パチョリ、ベチバーが続きます。「ホワイトチョコ×抹茶ラテ×ムスク」という方向性はマッチャメディテーションに最も近く、現行品の中では本命後継と呼べる一本です。マッチャメディテーションよりも甘さと温かみが強く、よりグルマン寄りの印象です。
2026年5月時点では日本への正規流通がなく、BUYMAや楽天・Yahoo!ショッピングの並行輸入業者、または海外Sephora直送を通じた購入が現実的です。Sephora.comではDeluxe Miniature(10ml)が$32で販売されており、送料・関税込みで5,000〜6,000円前後がお試しの目安になります。試香機会が少ない点は考慮が必要です。
② d’Annam Matcha Soft Serve——抹茶ソフトクリームを再現したグルマン香水
ベトナム系アメリカ人の調香師Anh Ngoによる2024年発売のニッチフレグランスです。「日本の記憶」をテーマにしたコレクションの一作で、マッチャ、ミルク、バニラ、ワッフルコーンというノートが抹茶ソフトクリームのクリーミーな世界を表現しています。2025 Art and Olfaction Awardsのインディペンデント部門でHonorable Mentionを受賞しており、品質面での評価も高い一本です。
マッチャメディテーションと比べると、ジャスミンのようなフローラルな複雑さはなく、よりストレートな「甘い抹茶デザート」の方向性です。日本への正規流通は確認されておらず、米国のLuckyscentやZGO Perfumeryからの個人輸入(50ml $160、送料別)が主な入手経路となります。
③ Obvious Parfums Milk & Matcha——国内百貨店で手に取れる抹茶ミルク香水
パリ発のニッチフレグランスブランドObviousが、IFF所属の調香師Maebh McCurtinと組んで制作した作品です。もともと2023年に「Un Été(ある夏)」として発売され、2025年に現在の「Milk & Matcha」に改名されました。ノートはトップにジンジャーとマンダリン、ミドルに抹茶アコード、オレンジフラワー、マテ、ベースにバニラ、トンカビーン、ペルーバルサムと展開します。全体にミルキーでやわらかく、マッチャメディテーションのグルマン的な方向性に近い雰囲気を持ちます。
国内ではDRESSKINの松屋銀座本店・西武渋谷店・そごう横浜店・名古屋タカシマヤ店、および楽天のアクアブーケ(並行輸入品)から購入できます。実際に試香できる環境がある点で、他の海外取り寄せ品より選びやすい一本です。
④ SHIRO ホワイトティー——手に取りやすい国産白茶系フレグランス
北海道発のコスメブランドSHIROのロングセラーフレグランスで、2023年6月にリニューアルされた現行バージョンが販売中です(40ml ¥4,180、税込)。白茶のやわらかな香りとシトラスの明るさを組み合わせた、落ち着きのある清潔感が特徴です。マッチャメディテーションのグルマン的な甘さとは方向性が異なりますが、全体の柔らかさと品のよさは共通しています。SHIRO直営店や三越伊勢丹ISETAN BEAUTY onlineで購入でき、5,000円以下という価格帯も魅力です。「代替」というよりは「落ち着いたお茶系の香りを手頃に」という方に向いています。
⑤ J-Scent ほうじ茶——日本のお茶文化を表現した国産フレグランス
「和の香り」をテーマにした国産フレグランスブランドJ-Scentのロングセラー(50ml ¥4,950、税込)です。ほうじ茶の香ばしさにバニラやムスクの甘さが加わり、温かみとやさしい和の世界観を作り出しています。マッチャメディテーションとは香りの方向性が大きく異なりますが、「お茶×甘さ×落ち着き」というテーマには響き合うものがあります。@cosme STORE(東京・高輪・名古屋・大阪)、蔦屋書店、三越伊勢丹ISETAN BEAUTY onlineで購入できます。他の6本と比べると最も「和」の個性が際立つ一本で、差別化された香りを楽しみたい方に向いています。
⑥ Acca Kappa Mandarin & Green Tea——爽やかなグリーンティー系の王道
イタリアのラグジュアリーボディケアブランドAcca Kappaによる、マンダリンとグリーンティーを軸にした香水です。フレッシュでシトラス系の爽やかな入り口に、緑茶のナチュラルなグリーンが重なる、クリーンな方向性が特徴です。マッチャメディテーションとは構造が大きく異なり、ホワイトチョコレートのようなクリーミーな甘さやグルマン的なインパクトはほとんどありません。「抹茶の甘さより、緑茶の爽やかさが欲しい」という方には候補に入りえます。日本での正規流通は限られており、並行輸入や輸入専門店を通じた入手が現実的です(100ml 12,000〜14,000円前後が目安)。
Le Labo THÉ MATCHA 26は本当に「代わり」になるのか?正直に書く
マッチャメディテーションの代替を探すとき、最初に名前が挙がりやすいのがLe Labo「THÉ MATCHA 26」です。しかしこの2本を「近い香水」と単純に比較するのは注意が必要です。
THÉ MATCHA 26は、調香師Frank Voelklが手がけた2021年の作品です。ノートには抹茶アコードとともに、クリーミーなイチジク(フィグ)、ベチバー、シダーウッドが配置されています。全体のキャラクターは「抹茶×ウッディスキンセント」という構造であり、マッチャメディテーションとは方向性が根本的に異なります。マッチャメディテーションにあった「ホワイトチョコレートの甘さ」「抹茶ラテのミルキーな質感」は、THÉ MATCHA 26にはほとんど存在しません。試香した人の感想に「抹茶感が薄い」「クールでウッディな香り」という声が多いのは、このためです。
マッチャメディテーションの「柔らかい甘さ」や「ミルキーな温かみ」を求めている方には、THÉ MATCHA 26は別物として理解したうえで選ぶことをおすすめします。一方で「静けさと内省的な雰囲気」「抹茶の苦みとウッディな深み」を求めているなら、THÉ MATCHA 26は十分に魅力的な一本です。国内で正規購入できる(50ml ¥26,950、100ml ¥41,250)点では、他のニッチな代替候補より選びやすい環境にあります。
2025年新作・KAYALI Freedom Musk Matcha | 45の可能性
7選の中で近さ★★★★★と評価したKAYALI「Freedom Musk Matcha | 45」について、もう少し詳しく見ておきます。KAYALIはHuda Beautyのファウンダーの妹、Huda Beautyのファウンダーの妹であるMona Kattanが設立したドバイ発のフレグランスブランドです。
「Freedom Musk Matcha | 45」は2025年11月にSephoraアプリで先行発売されたFreedomコレクションの1本で、調香師はAlexis Grugeon(dsm-firmenich)です。トップに抹茶、マテ、ベルガモット、グリーンアップルが開き、ミドルにオーツミルク、バニラ、プラリネ、コーヒーが続き、ベースにムスク、サンダルウッド、アンバー、パチョリ、ベチバーが広がります。マッチャメディテーションにあったジャスミンのようなフローラルな複雑さはなく、よりシンプルにミルキーな甘さとムスクの方向へ振れています。
「抹茶ラテの甘いクリーミーさ」をシンプルに求めるなら、現在入手できる選択肢の中で最も方向性が近い一本です。ただし2026年5月時点で日本に正規販売チャネルはなく、BUYMAや並行輸入業者を通じた購入が必要になります。Sephora.comで販売中の10ml Deluxe Miniature($32)がお試し購入として現実的な入口です。日本での知名度はまだ低く、今後の口コミの広がりに注目したいところです。
結局どれを選ぶべき?——タイプ別おすすめガイド
マッチャメディテーションに何を求めていたかによって、最適な代替候補は変わります。以下を参考にしてみてください。
「あの柔らかい甘さ・ミルキー感」を最優先したい方
KAYALI Freedom Musk Matcha | 45、d’Annam Matcha Soft Serve、Obvious Parfums Milk & Matchaの3本が候補になります。いずれも「抹茶×クリーミーな甘さ」の方向性を持ちます。日本で実際に試香できる環境を優先するなら、DRESSKINの松屋銀座本店や西武渋谷店で取り扱いのあるObvious Milk & Matchaが最も現実的な選択肢です。
「落ち着く感じ・瞑想的な雰囲気」を求める方
Le Labo THÉ MATCHA 26、SHIRO ホワイトティー、J-Scent ほうじ茶が向いています。甘さよりも静けさと落ち着きを重視するなら、この3本のどれかが候補になります。国内正規品で選びたい場合は、Le LaboまたはSHIROが正規購入しやすい環境が整っています。
価格を抑えたい方
SHIRO ホワイトティー(40ml ¥4,180)またはJ-Scent ほうじ茶(50ml ¥4,950)が最も手頃です。どちらも5,000円以下で購入でき、国内の実店舗・オンラインで安心して入手できます。香りの方向性はマッチャメディテーションとは異なりますが、「お茶系の落ち着く香り」というテーマには応えてくれます。
本物の中古を手に入れたい方
プレミア価格を受け入れてでも本物を求める方には、メルカリやYahoo!オークションでの中古購入が選択肢です。ただし偽物リスクと香料の経年劣化リスクを十分に理解したうえで臨むことが大切です。購入前にバッチコード照合と出品者の評価・実績を必ず確認してください。
マッチャメディテーションの「完全な正解後継」は、まだ存在しないかもしれません。しかしKAYALI Freedom Musk Matcha | 45の登場は、抹茶グルマン香水の空白を埋める最初の本命として注目に値します。人によって肌との相性も異なるため、可能であれば複数を試香し、自分にとってのベストを探してみてください。答えのないまま探し続けることも、香水の楽しさのひとつです。

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