XやTikTokで海外投稿を眺めていると、突然目に飛び込む謎の言葉「bomboclaat」。「どういう意味?」と思った経験はないでしょうか。この言葉の意味から文化的背景、注意点まで解説します。
bomboclaatの基本的な意味
bomboclaat(ボンボクラート。bumboclaat、bumbaclotとも綴る)は、ジャマイカのパトワ語から来た言葉です。
直訳すると「bumbo(お尻・下半身)」+「claat(布)」で、もともとは「お尻を拭く布」や「生理用ナプキン」を意味していました。衛生用品に関するタブーが罵倒語へ転化する現象は世界共通で、bomboclaatもその一例です。
現代のジャマイカでは、強い驚き・怒り・興奮を表現するときに使われます。英語の「fuck」「damn」に匹敵する強さを持ち、公共の場で使用すると警察に注意されることもあるほど下品な表現とされています。
ただしニュアンスは文脈次第。親しい仲間同士では冗談交じりに使われることもあれば、本気の罵倒として機能することもあります。
語源と文化的背景
パトワ語は、17世紀以降にジャマイカへ連れてこられたアフリカ系の人々が、英語と西アフリカの言語を融合させて作り上げたクレオール言語です。
「bumbo」は西アフリカのファンティ語で女性器を指す言葉に由来するという説があります。「claat」は英語の「cloth」がジャマイカ訛りで変化したもの(「th」→「t」への置換)です。
生理や排泄へのタブー意識が、この言葉を強力な罵倒語に押し上げました。1950年代には記録が残っており、2014年にはトロント市長ロブ・フォード氏がこの言葉を使った動画が流出し、ジャマイカ文化への配慮を欠いた行動として批判されました。
2019年、Twitterミームとして爆発
bomboclaatが世界的に知られるきっかけは、2019年9月のTwitterでした。
ジャマイカ人ユーザー@rudebwoy_lamz氏が、アニメ「キャットドッグ」の画像に「Bomboclaat」とだけキャプションを付けて投稿。1万3000以上の「いいね」を獲得し、多くのユーザーが同じフォーマットを真似し始めました。
当時Twitterでは「sco pa tu manaa」(ガーナ発の「これについてどう思う?」というフレーズ)が流行中。多くのユーザーはbomboclaatを「この画像にキャプションをつけて」という意味だと誤解して使い始めました。
ジャマイカ人ユーザーたちは「bomboclaatは挨拶でも質問でもなく、驚きや怒りを表す罵倒語です」と訂正。この論争がさらなる拡散を呼び、HuffPostやGQなど多数メディアがこの現象を報じました。
現在のSNSでの使われ方
現在も英語圏SNSで見かけるこの言葉の主な使われ方を整理します。
「リアクション表現」として、驚きを受けたときに「Bomboclaat!」と一言投稿するパターン。日本語の「マジかよ」に近い感覚です。
「強調表現」として、「What in the bomboclaat is this!?」のように驚きを強調する使い方もあります。英語の「What the fuck」と同じ構文です。
「ミームフォーマット」として、変な画像にbomboclaatをキャプションに添える形式も続いています。
重要なのは、オンラインでのカジュアルな使用と、ジャマイカ本来の文化的文脈では、言葉の重みがまったく異なるということです。
類似表現との比較
ジャマイカのパトワ語には、bomboclaatと同じ構造を持つ罵倒語が存在します。
bloodclaat(ブラッドクラート)は「blood+claat」で「生理用ナプキン」を意味し、同等かそれ以上に強い罵倒語です。rasclaat(ラスクラート)は「rass+claat」でトイレットペーパーを意味します。pussyclaatはさらに下品で攻撃的な表現です。
英語罵倒語との強度比較は「damn」<「shit」<「fuck」≒「bomboclaat」。ただし文脈で変わるため、あくまで目安です。
日本人が使う際の注意点
「面白そうだから使いたい」と思った方へ、重要な点をお伝えします。
まず、bomboclaatは本来、公の場で使えば問題になるレベルの下品な言葉です。SNSでカジュアルに使われているのを見ても、それが標準だと思わない方がよいでしょう。
次に、文化的背景への配慮が必要です。ジャマイカの人々の中には、自分たちの言葉がネットでジョークとして消費されることに複雑な感情を抱く人もいます。文化の盗用と見なされるリスクがあります。
さらに、非ネイティブが使うと不自然になりやすい点も。ジャマイカ系でない人がこの言葉を使うと違和感を覚えるという声は多く、日本人が使う場合その不自然さはさらに際立ちます。
結論として、bomboclaatは「見かけたときに意味がわかる」レベルに留めておくのが無難です。
まとめ
bomboclaatは、ジャマイカのパトワ語に由来する強力な罵倒語であり、2019年のTwitterミームブームで世界中に認知されました。
単なる「面白いネットスラング」として消費するのではなく、その言葉が持つ重みと文化的文脈を理解することで、海外のSNS投稿をより深く楽しめるようになります。
わからない言葉に出会ったとき「なんとなく使う」のではなく「きちんと調べて理解する」姿勢が、グローバルなインターネット文化を楽しむ秘訣ではないでしょうか。

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