Yahoo!知恵袋やX(旧Twitter)で「大学受験の勉強、いつから始めた?」という質問が、毎年春になると決まって話題に上ります。高校1年生や2年生にとって、周りが少しずつ受験モードに切り替わり始めると、「自分はいつから始めれば間に合うのだろう?」と焦りを感じるのは当然のことです。
結論から言うと、志望する大学のレベルによって「間に合う時期」はまったく違います。 なんとなく「高2の夏くらいからかな?」と考えている人も多いかもしれませんが、そのスケジュールでは早慶や難関国立大学には届かない可能性が高いのが現実です。
この記事では、東進ハイスクールや河合塾といった大手予備校が公開している公式データと、SNS上で見られる合格者のリアルな声を組み合わせ、大学のランク別に「いつから勉強を始めるべきか」を徹底的に分析・整理しました。自分はどのパターンに当てはまるのかを意識しながら、読み進めてみてください。
大学受験の勉強、みんないつから始めてる?【データで見る全体像】

まずは、大学受験生全体で見たときに、いつから勉強を始める人が多いのか、その全体像を把握しておきましょう。大手予備校の調査データとSNS上の声を総合すると、「高校2年生」から受験勉強を本格的にスタートさせる層が最も多いことがわかります。
東進ハイスクールが難関大学合格者を対象に行った調査によると、勉強を開始した時期は「高校2年生」が45.6%と最も多く、次いで「高校1年生」(19.4%)、「中学から」(6.4%)と続きます。また、河合塾が2023年に高校生500人を対象に行った意識調査(トライ引用)では、高校2年生の時点で受験勉強に着手している人は37.4%にとどまり、高校3年生になるまでには88.1%が何らかの形でスタートを切っているという結果が出ています。
この傾向は、X(旧Twitter)上で見られる合格者の体験談とも概ね一致しています。SNS上の声を総合的に集計すると、以下のような傾向が見られます。
- 高1から本格スタート: 約15〜20%(東大・京大・早慶レベルの合格者に多い)
- 高2から(特に夏〜冬): 約40〜50%(ボリュームゾーン。早慶・MARCH合格者の多くがここに含まれる)
- 高3の春〜夏から: 約30〜35%(MARCHや東京理科大学などの合格者に多い)
- 高3の秋以降: 約5〜10%(非常に稀。いわゆる「逆転合格」の体験談として語られるケース)
このように、予備校の公式データとSNS上のリアルな声は、「高2スタートがマジョリティである」という点で共通しています。この事実は、受験勉強のスケジュールを立てる上での一つの基準となるでしょう。
ただし、これはあくまで全体の平均値です。繰り返しになりますが、志望校のレベルによって、現実的に「間に合う」とされる勉強開始時期は大きく変わります。 次のセクションでは、大学のランク別に、より具体的に合格者がいつから勉強を始めているのかを詳しく見ていきましょう。
【大学ランク別】合格者はいつから勉強を始めた?早慶・MARCH・国立を比較

ここからは、この記事の核心部分です。早慶、上智、MARCH、そして国立大学といった大学ランク別に、合格者がいつから受験勉強を本格化させているのか、そのリアルな実態を比較・分析していきます。
早稲田・慶應義塾大学:合格者の7割が高2までにスタート
私立大学のトップに君臨する早稲田大学と慶應義塾大学。この両大学の合格者のデータを見ると、高校2年生までに勉強をスタートさせた早期開始組が、全体の約7割を占めるという明確な傾向があります。具体的には、高2スタートが45〜50%超を占め、高1から始めている層も20%以上存在します。
この背景には、両大学の入試科目の特性があります。特に英語は、単語・文法・長文読解のいずれも非常に高いレベルが要求され、膨大な学習量が必要です。また、地歴公民や数学といった選択科目も、教科書の範囲を大きく超えた深い知識が問われるため、付け焼き刃の対策では到底太刀打ちできません。
これらの膨大な試験範囲を考慮すると、早慶を目指す上での現実的な勉強開始ラインは「高校2年生」と言えるでしょう。もちろん、高校3年生から勉強を始めて合格するケースも存在しますが、それは元々の基礎学力が非常に高い生徒や、部活動などで培った高い集中力を持つ生徒に限られる、と考えるのが妥当です。
つまり、早慶を本気で目指すなら、高2の夏までには本格的な受験勉強を開始するのが理想的と言えます。
上智大学:英語の比重が高く、早期着手が有利
早慶に次ぐ難関私立大学として知られる上智大学。特に外国語学部の人気は絶大で、英語の配点が非常に高いことで知られています。そのため、合格者の傾向も早慶と似ており、高1〜高2の早期に勉強をスタートさせた層が約60%を占めます。
上智大学の入試は、英語の出来が合否を直接左右すると言っても過言ではありません。TEAPスコアを利用した入試方式を導入していることからも、大学側が長期的な英語学習を重視していることが伺えます。英語の4技能(読む・聞く・書く・話す)をバランスよく鍛えるには時間がかかるため、早期に着手した受験生が圧倒的に有利になるのです。
つまり、上智大学を志望する場合も、早慶と同様に高2のうちに勉強を始めることが合格への現実的なルートとなります。
東京理科大学:理系3科目に集中でき、高3スタートも主流
理系単科大学として高い評価を得ている東京理科大学。ここの合格者の勉強開始時期は、早慶上智とは少し異なる傾向を見せます。データを見ると、高2の夏から高3の春にかけて勉強を始める層が主流となっています。
この理由は、入試科目が理系3科目(数学・英語・理科)に集中しているためです。文系科目の対策が不要な分、他の私立大学に比べてやや遅めのスタートでも、的を絞った対策で合格レベルに到達することが可能です。部活動を引退する高3の夏から本格的にスパートをかけ、合格を勝ち取る受験生も少なくありません。
つまり、東京理科大学は、高3の春から夏にかけてのスタートでも十分に対応可能な大学と言えるでしょう。
明治大学(MARCH):高3春スタートが現実的なボリュームゾーン
MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)の中でも、特に人気の高い明治大学。MARCHレベルになると、勉強開始時期はさらに後ろにずれ込みます。合格者データを見ると、高3の春から勉強を始めた層が約40%を占め、これが現実的なボリュームゾーンとなっています。
私立文系であれば、入試科目を3科目に絞り込めるため、部活動を引退した後の高3の夏からでも、集中的に勉強すれば十分に射程圏内に入ってきます。もちろん、高2から始めていれば、より余裕を持った対策ができることは言うまでもありませんが、高3からのスタートでも決して不可能ではないのがMARCHレベルの特徴です。
つまり、MARCHを第一志望とするならば、高3の春からでも十分に間に合う可能性が高いと言えます。
主要国立大学(東大・京大など):高3スタートはほぼ不可能
最後に、東京大学や京都大学をはじめとする旧帝大などの主要国立大学です。これらの大学を目指す場合、勉強開始時期は他の私立大学とは比較にならないほど早まります。東進のデータによれば、合格者のうち高2までに勉強を開始した生徒が71%に達し、そのうち19〜35%は高1からスタートしています。
最大の理由は、その圧倒的な科目数の多さです。2025年度入試からは「情報I」が追加された共通テストで6教科8科目をこなし、さらに大学独自の二次試験(2〜4科目)も突破しなければなりません。合計で10科目以上を高いレベルで仕上げる必要があり、これを高校3年生の1年間だけで対策するのは、現実的にほぼ不可能です。
つまり、旧帝大をはじめとする難関国立大学を目指すのであれば、遅くとも高2の春までには受験を意識した勉強を始めることが必須条件となります。
入試科目数でわかる「なぜ早く始める必要があるのか」
なぜ大学のランクによって、これほどまでに勉強を始めるべき時期が異なるのでしょうか。その答えは「入試科目数」に隠されています。結論から言うと、勉強開始時期が早い大学ほど、入試で課される科目数が多いという明確な相関関係があるのです。
この構造を理解するために、私立大学と国立大学の入試科目数を比較してみましょう。
私立大学(3科目中心)の内訳
多くの私立大学、特に文系学部では、入試科目を3科目に絞ることができます。例えば、MARCHの代表格である明治大学商学部は「英語・国語・地歴公民または数学」の3科目です。東京理科大学も理系3科目に特化しています。
もちろん、最難関の早慶上智では少し事情が異なります。
- 早稲田大学: 学部によって異なりますが、基本は3科目です。ただし、政治経済学部のように共通テストと独自試験を組み合わせる方式も増えています。
- 慶應義塾大学: 共通テストを利用せず、大学独自の試験のみを課します。多くの学部で「英語・数学(または地歴公民)・小論文」という組み合わせが特徴的です。
- 上智大学: 3科目型が基本ですが、英語の外部試験(TEAP)のスコアを利用できる方式もあり、英語重視の姿勢が鮮明です。
このように、私立大学は科目数が少ないため、高校3年生から集中的に対策しても、十分に合格レベルに到達することが可能です。これが「私立なら高3からでも間に合う」と言われる大きな理由です。
国立大学(共通テスト+二次試験)の負担
一方、国立大学はまったく異なります。まず、大学入学共通テストで6教科8科目(2025年度入試から「情報I」が追加)という幅広い科目に対応しなければなりません。そして、その後に大学独自の二次試験(2〜4科目)が待ち構えています。
例えば、東京大学文科一類の場合、共通テストの6教科8科目に加え、二次試験で「国語・数学・地歴(2科目)・外国語」の4教科が課されます。合計で10科目以上を、しかも非常に高いレベルで仕上げる必要があるのです。
この圧倒的な科目数を1年間でマスターするのは、どんなに優秀な生徒でも至難の業です。だからこそ、国立大学、特に旧帝大レベルを目指すには、高校1年生や2年生といった早い段階から、計画的に全科目を履修していく必要があるのです。
以下の表は、主要な大学の入試科目数を比較したものです。この科目数の違いが、推奨される勉強開始時期の差に直結していることが一目でわかるでしょう。
| 大学 | 学部例 | 入試科目数 | 共テ使用 |
|---|---|---|---|
| 早稲田大学 | 法学部 | 3科目 | なし |
| 早稲田大学 | 政治経済学部 | 共テ4科目+総合問題 | あり |
| 慶應義塾大学 | 経済学部 | 3科目+小論文 | なし |
| 上智大学 | 外国語学部 | 3科目(TEAP型あり) | なし |
| 東京理科大学 | 理学部 | 3科目 | なし |
| 明治大学 | 商学部 | 3科目 | なし |
| 東京大学 | 文科一類 | 共テ6教科8科目+二次4科目 | あり |
| 京都大学 | 理学部(理系) | 共テ6教科8科目+二次4科目 | あり |
2025〜2026年入試ここが変わった!受験生が知るべき最新情報
大学入試は、数年ごとに大きな変更が行われます。古い情報のまま受験計画を立ててしまうと、思わぬ失敗につながりかねません。ここでは、2025年度入試で何が変わり、2026年度入試で何が変わるのか、受験生が絶対に知っておくべき最新情報をお届けします。これは、他の多くの受験情報サイトが見落としている、この記事ならではの強みです。
2025年度入試の主な変更点
2025年度入試(2025年4月入学者向け)は、新学習指導要領に対応した最初の入試となりました。最大の変更点は以下の通りです。
- 共通テストに「情報I」が追加: 最も大きなインパクトがあったのが、国立大学の受験に必須となる共通テストに「情報I」が新設されたことです。初年度(2025年1月実施)は平均69.26点と比較的易しい出題でした。しかし2年目(2026年1月実施)は一転して平均56.59点に急落し、約13点のダウンとなりました。新科目は「初年度は易しく、2年目から難化する」という傾向があり、今後もこの水準が続く可能性があります。
2026年度入試の変更予定
次に、2026年度入試(主に現在の高校2年生が対象)の変更予定です。
- 京都大学が女子枠を新設: 京都大学が2026年度入試から、理学部と工学部の特色入試で「女子枠(女性募集枠)」を導入しました。募集人員39人に対し29人が合格。理系分野のジェンダー不均衡の是正を目的とした取り組みとして注目されています。
- 旧課程の経過措置が終了: 2025年度入試まで設けられていた、旧学習指導要領(数学旧課程や旧「情報」など)で学んだ浪人生向けの経過措置が完全に終了します。これにより、すべての受験生が新課程の内容で試験に臨むことになります。
- 早稲田大学教育学部が科目変更: 早稲田大学教育学部が、共通テストを利用するC方式において、必須科目を7科目から8科目に変更します。これは「情報I」を追加するためです。
- 慶應義塾大学は共通テスト不使用を堅持: 一方で、慶應義塾大学は2026年度入試においても、引き続き共通テストを利用しない方針を明確にしています。大学独自の試験で学生を選抜する伝統を堅持する形です。
- 中央大学が理工学部を再編: 中央大学が、既存の理工学部を3つの新しい学部に再編する予定です。これにより、より専門性の高い教育・研究を目指します。
このように、大学入試の制度は常に変化しています。特に「情報I」の動向は、今後の国立大学受験の難易度を大きく左右する可能性があります。「古い常識」で計画を立てるのは非常に危険です。 常に最新の情報をキャッチアップし、自分の受験戦略に反映させていくことが、合格への鍵となります。
「高3からでも間に合う?」→ 結論:大学ランクによる
Yahoo!知恵袋などで、毎年後を絶たない質問。「今、高校3年生です。ここから頑張れば、〇〇大学に間に合いますか?」。この切実な問いに対する答えは、これまで見てきたデータを踏まえれば、もうお分かりでしょう。結論は、「間に合うかどうかは、あなたの現在の学力と、志望校のレベル次第」です。
安易な「逆転合格」ストーリーは魅力的ですが、私たちはデータを基にした現実的なアドバイスを提示します。
- MARCH(明治大学など):十分に間に合う可能性あり
合格者の30〜40%が高3から勉強を始めているというデータが示す通り、MARCHレベルであれば、高3の春や夏からのスタートでも十分に射程圏内です。3科目に集中できる強みを活かし、効率的な計画を立てて実行すれば、合格は決して夢ではありません。 - 早慶上智:厳しいが、可能性はゼロではない
合格者の約7割が高2以前にスタートしている現実を考えると、高3からの挑戦は厳しい道のりになります。しかし、可能性はゼロではありません。もしあなたが、これまでの高校生活で基礎学力(特に英語と国語)をしっかりと固められているのであれば、残りの1年間で応用力を磨き、合格を勝ち取ることも可能です。重要なのは「基礎がすでにあるか」どうかです。 - 旧帝大・主要国立:極めて困難
これは厳しい現実ですが、正直にお伝えします。共通テストで6教科8科目、さらに二次試験という膨大な科目数を考えると、高3からのスタートで旧帝大や主要な国立大学に合格するのは、極めて困難です。合格した例もゼロではありませんが、非常に稀なケースと考えてください。これらの大学を目指すのであれば、高2の春までには受験勉強を開始していることが、事実上の必須条件となります。
ここまで読んで、「自分はもう手遅れかもしれない」と不安に思った人もいるかもしれません。しかし、悲観する必要はまったくありません。なぜなら、今、この記事を読んでいるこの瞬間が、あなたにとって一番早いスタート地点だからです。今日から、今すぐに行動を起こせば、あなたの未来は確実に変わります。
まとめ:大学受験の勉強開始は「早いほど有利」だがパニックは不要
今回は、大学受験の勉強をいつから始めるべきかについて、様々なデータをもとに解説してきました。最後に、記事全体の要点を振り返りましょう。
- 受験勉強の開始時期は「高2スタート」が最も多いが、それはあくまで平均値。
- 早慶上智や難関国立を目指すなら高2までの早期スタートが必須。
- MARCHレベルであれば、高3からのスタートでも十分に現実的。
- この差を生んでいるのは、主に「入試科目数の違い」である。
- 「情報I」が追加されたなど、入試制度は常に変化しているため、最新情報のキャッチアップが不可欠。
結論として、大学受験の勉強は「早ければ早いほど有利」であることは間違いありません。しかし、周りが始めたからといって、無計画に焦ってパニックになる必要はまったくありません。最も大切なのは、自分の志望校のレベルを正確に把握し、そこから逆算して現実的な学習計画を立て、今日から実行に移すことです。
この記事を読み終えた今が、あなたにとって一番早いスタート地点です。未来の自分のために、今日から小さな一歩を踏み出しましょう。

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