意味が分かると怖い話クイズの後編、中級〜上級編です。
前編の初級〜中級編では、伏線が1つの問題を中心に出題しました。今回はぐっとレベルが上がります。伏線が2つ以上絡む中級と、読者の思い込みを利用したミスリード構造の上級を合わせた全25問です。
解説はアコーディオン(タップで開く)に隠してあります。まずは問題文だけ読んで、自分で「怖い理由」を考えてみてください。

中級編(全10問)
伏線が2つあったり、言葉の二重の意味を使ったトリックが登場します。問題文の中の「違和感」を2つ以上見つけられるかがカギです。
第1問「留守番電話」
スマホに留守番電話が3件入っていた。
1件目(14:02)
「もしもし、お母さんだけど。今日の夜ごはん何がいい? カレーにしようかと思ってるんだけど」
2件目(14:15)
「さっきの電話出なかったね。まあいいや、カレーにするね。お父さんも喜ぶし」
3件目(14:30)
「何度もごめんね。帰ったらお線香あげてね。お父さん、カレー好きだったから」
▼ 解説を見る
1件目と2件目では「お父さんも喜ぶ」と現在形。しかし3件目で「お線香あげてね」「好きだったから」と過去形に変わっている。14:15から14:30のわずか15分の間に、父親に何かが起きたことがわかります。
第2問「転校生」
転校生が来た。
「東京から来ました、佐藤ミナミです。よろしくお願いします」
先生が「佐藤さんの席はあそこね」と窓際の空いている席を指した。
ミナミちゃんが歩いていく。でも誰も見ていない。みんな下を向いている。
隣の席のユキに「なんでみんな下向いてるの?」って聞いたら、ユキは真っ青な顔で言った。
「あの席、先月まで佐藤ミナミって子が座ってたの」
▼ 解説を見る
先月まで同じ名前の子が同じ席に座っていた。その子がいなくなった席に、同姓同名の転校生が来た。クラスメイト全員が顔を上げられない理由。先月の佐藤ミナミに何があったのか。
第3問「温泉旅行」
友達3人で温泉旅館に泊まった。部屋に入ると布団が4組敷いてあった。
「3人って言ったのに4組あるね」
「まあいいじゃん、広く使おう」
夜、温泉に入って部屋に戻ると、4組の布団のうち3組はそのままだった。
1組だけ、誰かが寝た跡があった。枕がへこんでいて、掛け布団がめくれていた。
温泉に行く前、その布団には誰も触っていない。
▼ 解説を見る
3人全員が温泉に行っている間に、誰も触っていない4組目の布団に寝た跡ができていた。余分な1組に「誰か」がいた。
第4問「家族写真」
実家に帰ったら、リビングに新しい家族写真が飾ってあった。
父、母、姉、自分。4人で撮った去年の写真。笑顔でいい写真だなと思った。
母に「いい写真だね」と言ったら、母は首をかしげた。
「何言ってるの。5人で撮ったんでしょ」
もう一度写真を見た。4人しかいない。
母がもう一度写真を見た。さっきまで自然に「5人」と言っていたのに、今は4人しかいないことに気づいたらしい。
母の顔から血の気が引いていった。
▼ 解説を見る
母は写真を見て自然に「5人」と言った。でも実際には4人しか写っていない。母にだけ「5人目」が見えていたのか、あるいは以前は本当に5人写っていたのか。母自身も今になってその異常に気づき、恐怖している。
第5問「サプライズ」
今日は妻の誕生日。サプライズパーティーを計画した。
仕事を早く切り上げて、ケーキとプレゼントを買った。妻より先に帰って準備するつもりだった。
家に着いてドアを開けたら、リビングから歓声が聞こえた。
「お誕生日おめでとう!」
声を出したのは、僕じゃなかった。
リビングには知らない人たちが大勢いて、クラッカーを鳴らしていた。テーブルの上にはすでにケーキがある。
妻が振り返って僕を見た。一瞬、ものすごく焦った顔をした。
▼ 解説を見る
妻へのサプライズを用意していたのに、家には知らない人たちが先にパーティーをしていた。妻は夫が早く帰ってくることを知らなかった。妻の「焦った顔」が意味すること。夫がいない前提の「パーティー」とは何だったのか。
第6問「迷子のお知らせ」
ショッピングモールで買い物をしていたら、館内放送が流れた。
「迷子のお知らせをいたします。5歳くらいの女の子で、赤いワンピースを着ています。お心当たりのある方はサービスカウンターまでお越しください」
5分後、また放送が流れた。
「繰り返しお知らせいたします。赤いワンピースの女の子を探しています。先ほどよりとても怯えたご様子です。近づくと泣き出してしまいます。お母様、お父様はお早めにお越しください」
さらに10分後。
「お知らせを訂正いたします。赤いワンピースの女の子のご両親と名乗る方が3組お越しになりました。お子様は現在、どの方にもついていこうとしません」
▼ 解説を見る
迷子の両親を呼んだら3組が名乗り出て、子どもはどの人にもついていこうとしない。本物の親は1組のはず。残り2組は何者か。子どもが全員を拒否しているのは、本物の親がその中にいないか、あるいは全員から逃げたい理由があるのか。
第7問「映え」
友達のインスタに投稿があった。
写真はきれいなカフェのラテアート。キャプションは「お気に入りのカフェ☕ 今日も最高」。位置情報は渋谷のカフェ。いいねをつけた。
数時間後、別の友達から連絡が来た。
「あの子のインスタ見た? 渋谷のカフェだって」
「うん、見たよ。おしゃれだよね」
「ねえ、あの子いま渋谷にいないよ。今日うちに来る約束してて、さっき最寄り駅から電話してきた。最寄り駅は千葉なの」
もう一度投稿を見た。よく見たらラテアートの向こう側に窓が映っていて、外は真っ暗だった。
投稿時刻は午後1時だった。
▼ 解説を見る
渋谷にいないのに渋谷の位置情報。午後1時の投稿なのに窓の外は真っ暗。写真は「今」撮ったものではなく、実際にはどこにいるのかわからない。なぜ嘘の投稿をする必要があったのか。
第8問「ごあいさつ」
新しいマンションに引っ越して、隣の部屋に挨拶に行った。
出てきたおばさんが笑顔で言った。「あら、新しい方? ようこそ。前の方はすぐに出て行かれたから、今度は長くいてくださいね」
反対側の隣にも行った。若い男の人が出てきた。「あ、どうも。前の人もその前の人もすぐ引っ越したんすよね。まあ、気にしないでください」
下の階にも挨拶に行った。出てきた女性はドアチェーンをかけたまま「あの部屋……お気をつけて」とだけ言って閉めた。
部屋に戻って、なんとなく不動産屋のサイトを見た。この部屋の家賃は相場の半額だった。
▼ 解説を見る
前の住人が次々と短期間で退去し、家賃は相場の半額。下の階の女性はドアチェーンごしに警告だけして閉めた。事故物件の可能性を示すサインが複数揃っています。
第9問「読書感想文」
娘の夏休みの宿題を手伝った。読書感想文。
「何の本読んだの?」
「お部屋に来るおじさんの本だよ」
そんな本あったかなと思いながら、娘の感想文を読んだ。
「この本のおじさんは夜になるとやってきます。まどからそっと入ってきて、ねている子のそばにすわります。朝になるといなくなります。おじさんはやさしい声でお話をしてくれます。わたしはこの本がすきです」
本棚を探したけど、そんなタイトルの本はなかった。
「ねえ、その本どこにあるの?」
娘は不思議そうに言った。「本じゃないよ。ほんとのおはなし」
▼ 解説を見る
読書感想文だと思っていたのは、娘の実体験。夜、窓から入ってきて寝ている子のそばに座る「おじさん」が実在する。娘は怖がっておらず「やさしい」と認識しているのが余計に恐ろしい。
第10問「おしゃべり」
一人暮らしで猫を1匹飼っている。
夜中にふと目が覚めた。隣の部屋から小さい声が聞こえる。猫がまた寝言を言ってるのかなと思った。
でもよく聞くと、声が2つある。
低い声と高い声が交互に、ぼそぼそと話している。猫の寝言にしては、はっきりしすぎている。
怖くなってそっと覗いたら、猫はソファの上でこっちを見ていた。目が大きく開いていて、一切鳴いていない。
声はまだ聞こえている。
▼ 解説を見る
一人暮らしで猫1匹。猫は鳴いていない。なのに隣の部屋から2つの声が聞こえている。この家に語り手と猫以外の「誰か」がいる。
上級編(全15問)
ここからは上級。伏線が3つ以上絡んだり、読者の思い込みを利用したミスリード構造が登場します。問題文を何度も読み返して挑んでください。
第11問「スピーチ」
結婚式でスピーチを頼まれた。新婦の友人として。
会場は白い花で飾られていて、参列者は50人くらい。新婦はきれいなドレスを着て、ずっと微笑んでいた。
スピーチを終えると拍手が起きた。でも、なんとなく違和感があった。
拍手はまばらで、泣いている人が多い。おめでたいはずなのに。新婦のお母さんは泣き崩れていた。
席に戻ってふと気づいた。高砂席に新婦はいるけど、新郎の姿が見当たらない。新郎の席には白い花と写真が置いてあった。
白い花ばかりの装飾。参列者の涙。新婦の静かな微笑み。
これは結婚式ではなかった。
▼ 解説を見る
白い花だけの装飾、参列者の涙、新郎の席にあるのは写真と花。新郎は式の前に亡くなっていた。これは結婚式と告別式を兼ねた式です。語り手はその事実に気づかないままスピーチをしていました。
第12問「防犯カメラ」
マンションの管理人をしている。住人から「昨夜、廊下に誰かいた気がする」と苦情が来たので、防犯カメラの映像を確認した。
23:00 廊下に人影なし。
23:45 501号室の住人が帰宅。ドアを開けて入る。
0:10 廊下に人影なし。
0:30 502号室のドアの前に女性が立っている。こちらに背を向けて、じっと動かない。
0:55 女性がまだ立っている。25分間動いていない。
1:15 女性が突然いなくなる。歩いて去る映像がない。前のコマまでいて、次のコマで消えている。
1:20 廊下に人影なし。
苦情を出したのは503号室の住人。
502号室は半年前から空室。
▼ 解説を見る
空室のドアの前に25分間立ち続け、歩き去る映像がなく突然消えた女性。物理的にありえない消え方をしている。苦情を出したのは502ではなく503の住人、つまり隣から「気配」を感じていた。空室の前に立つ女性は何者なのか。
第13問「絵日記」
小学1年生の娘が絵日記を見せてくれた。
「きょうはかぞくでこうえんにいきました。おとうさんとおかあさんとおにいちゃんとわたしとおじさんでいきました。たのしかったです」
絵には5人の人間が描いてあった。父、母、兄、自分、そしてもう1人。
うちにはおじさんなんていない。4人家族だ。
「このおじさんって誰?」
「いつもいるおじさんだよ。ずっとついてきてるでしょ」
絵をよく見ると、4人はカラフルなクレヨンで描かれているのに、「おじさん」だけ灰色の1色で描かれていた。顔がない。
絵日記の端に先生の赤ペンで書き込みがあった。「いつもおじさんが描いてありますね。お話聞かせてね」
▼ 解説を見る
娘だけが認識している「いつもいるおじさん」。灰色1色で顔がなく、先生も「いつも描いてある」と指摘している。家族は4人なのに、娘の絵には毎回この存在が描かれている。これが初めてではないことが一番怖い。
第14問「カーナビ」
深夜、友達を車で送ることになった。友達がカーナビに住所を打ち込んだ。
「ここ、けっこう遠いんだな」
「うん、ちょっとね」
高速を降りて、山道に入った。街灯がなくなった。ナビは「あと15分」と言っている。
友達が静かだ。寝てるのかと思って横を見たら、目を開けたまま前を見ていた。
道がどんどん細くなる。対向車が1台も来ない。ナビは「あと15分」と言い続けている。
20分経っても「あと15分」のまま。
「ねえ、本当にこの道で合ってる?」
友達は答えなかった。ただ前を見ていた。
バックミラーをふと見たら、後部座席に誰か座っていた。
▼ 解説を見る
ナビが「あと15分」から進まない。友達は目を開けたまま無言。対向車ゼロ。そして後部座席に知らない誰かがいる。打ち込まれた住所は本当に友達の家なのか。この「友達」は本当に友達なのか。複数の異変が同時に起きている。
第15問「問診」
最近よく眠れなくて、病院に行った。
「どうされました?」
「夜中に誰かが部屋にいる気がして、眠れないんです」
「いつ頃からですか」
「3ヶ月くらい前からです。引っ越してから」
「一人暮らしですか?」
「はい」
「お薬出しておきましょう」
先生がカルテに何か書いている。チラッと見えた。
「患者、○○歳女性。幻覚の訴えあり。ただし、来院時に同伴していた男性との関係は不明。本人は一人で来たと主張」
▼ 解説を見る
患者は「一人暮らし」「一人で来た」と言っている。しかし医師のカルテには「同伴していた男性」がいたと書かれている。患者が認識していない男性が一緒にいた。夜中に部屋にいる「気がする」のは、気のせいではない可能性がある。
第16問「将来の夢」
引っ越しの片付けをしていたら、小学校の卒業文集が出てきた。テーマは「将来の夢」。
ページをめくっていくと、違和感に気づいた。
佐藤くん:「大人になったらここを出たいです」
田中さん:「早くここから出たいです」
鈴木くん:「外の世界を見てみたいです」
山田さん:「いつかここを出て暮らしたいです」
30人全員が書いていたのは「ここを出たい」ということだけだった。将来の夢ではなく、全員が同じことを願っている。
最後のページに担任のメッセージがあった。
「みなさんの夢が叶うといいですね。先生はここを出られませんでしたが、みなさんなら大丈夫です」
▼ 解説を見る
30人全員が「ここを出たい」と書いている。将来の夢が職業ではなく脱出。担任も「ここを出られなかった」と書いている。学校の体をしたこの場所は、出ることが許されない施設なのかもしれません。
第17問「管理人室」
新しいマンションに引っ越して、管理人室に鍵をもらいに行った。
「404号室の鍵をお願いします」
「はいはい。えーと、404号室ね」
管理人がファイルを開いて住人リストを見せてくれた。ふと目に入った。
401:山本
402:田中
403:(空欄)
404:自分の名前
405:中村
「403は空き室なんですか?」
管理人の手が止まった。一瞬だけ目が泳いだ。
「ああ、あそこは……使ってない部屋だよ。気にしなくていい」
その夜、隣の403から何かを引きずるような音が聞こえた。空き室のはずの部屋から。
翌朝、管理人に言いに行ったら、管理人室のドアに鍵がかかっていた。ドアの隙間から住人リストが見えた。403の欄に赤い字で何か書いてあったが、読めなかった。
▼ 解説を見る
欠番の403号室。管理人は「使ってない」と言いながら動揺した。夜には何かを引きずる音。翌朝、管理人は不在で住人リストの403には赤字の書き込み。空き室ではないのに住人名がなく、管理人だけが何かを知っている。
第18問「面接」
採用面接をした。応募者は30代の男性、落ち着いた雰囲気。
「志望動機をお聞かせください」
「御社の新規事業に興味があります。来月発表予定のAIプロジェクト、楽しみですね」
その事業はまだ社外には一切公表していない。
「あの、その情報はどちらで……」
「ああ、すみません。前から御社のことはよく調べていましたので」
履歴書を見た。職歴に記載された前職の会社は、3年前に倒産している。
「前職のことをお聞きしたいのですが」
「もちろん。ちなみに、面接官の方の奥様、お元気ですか」
妻の存在を、僕はこの男に話していない。
▼ 解説を見る
未公表の新規事業を知っている。倒産した会社の職歴。面接官の私生活まで知っている。この「応募者」は採用面接に来たのではなく、別の目的でこの会社に入ろうとしている。何を知っていて、なぜ知っているのか。
第19問「夜行バス」
夜行バスで地元に帰る。乗客は自分を含めて8人。
23:00に出発した。消灯になって、みんな寝始めた。
夜中にふと目が覚めた。カーテンの隙間から外を見たけど、街灯がひとつもない。窓の外は真っ暗だった。高速を走っているはずなのに。
なんとなく気になって車内を見回した。暗くてよく見えないけど、座席に人が増えている気がする。
出発時は8人だったのに。途中でバスは停まっていない。
前方のモニターに表示されている行き先を見た。出発前は「東京→仙台」だった。
今は何も表示されていなかった。
運転席を見たら、運転手もいなかった。
▼ 解説を見る
乗客が増えている。バスは停まっていない。行き先の表示が消えている。運転手がいない。なのにバスは走り続けている。このバスはもう、どこかに「着く」バスではない。
第20問「コメント欄」
料理系YouTuberの動画を見ていた。「簡単おいしい煮込みハンバーグ」。チャンネル登録者数は200人くらいの小さなチャンネル。
レシピは普通。合いびき肉、玉ねぎ、パン粉、卵。手際もよくて、わかりやすい。
コメント欄を見たら、3件だけコメントがあった。
「おいしそうです!」
「作りました! 家族に好評でした」
「材料の最後のやつ、どこで手に入りますか?」
材料の最後? と思って概要欄の材料リストを見直した。
・合いびき肉 300g
・玉ねぎ 1個
・パン粉 大さじ3
・卵 1個
・デミグラスソース 1缶
・ケチャップ 大さじ2
・トリカブト 少々
過去の動画一覧を見た。全部料理動画。でも最新の3本だけ、タイトルが微妙に違った。
「彼の好きなカレー」
「彼のための特別な紅茶」
「最後の晩餐」
▼ 解説を見る
材料リストに「トリカブト」が紛れている。トリカブトは猛毒です。過去動画のタイトルも「彼のための特別な紅茶」「最後の晩餐」と不穏。このレシピ動画は料理の記録ではなく、殺害計画の記録。コメント欄でその材料の入手先を聞いている人がいるのも怖い。
第21問「天気予報」
テレビの天気予報を見ていた。いつもの女性アナウンサー。
「明日の全国の天気です。北海道は晴れ、東北は曇り、関東は雨、中部は晴れ、近畿は雨、中国地方は曇り、四国は晴れ、九州は曇り、沖縄は晴れ」
普通の天気予報だった。でもアナウンサーの声が途中から少し震えていた。
天気予報が終わったあと、アナウンサーが一瞬カメラ目線になった。口が小さく動いた。音声は入っていなかったけど、口の形ではっきり読めた。
「にげて」
次の瞬間、画面が切り替わった。バラエティ番組が始まった。何事もなかったように。
▼ 解説を見る
天気予報の途中から声が震え、放送後に音声なしで「にげて」と口を動かした。カメラの向こうで何が起きていたのか。誰から、何から逃げろと言っているのか。何事もなく次の番組に切り替わったのが余計に不気味です。
第22問「届出」
【遺失物届】
届出日:20XX年11月3日
届出人:桜井ユキ(32歳・女性)
届出警察署:○○警察署
紛失物:婚約指輪(プラチナ、0.5カラットダイヤモンド)
紛失した日時:20XX年11月2日 午後11時頃
紛失した場所:自宅マンション ベランダ付近
届出人コメント:
「ベランダで夜風に当たっていたら、指からすべり落ちた。下を見たが暗くて見つからなかった」
備考(受理担当者メモ):
届出人のマンションは14階。ベランダの下は歩道。11月2日午後11時、同マンション前の歩道で男性が倒れているのが発見された件との関連を要確認。
▼ 解説を見る
14階のベランダから「指輪が落ちた」。同じ時刻に同じマンションの前で男性が倒れていた。指輪は本当に「すべり落ちた」のか。婚約指輪を持つ女性と、その下で倒れていた男性の関係。
第23問「子守唄」
深夜2時。マンションの廊下を歩いていたら、どこかから子守唄が聞こえてきた。女の人の声で、すごく優しい歌い方。
5階の角部屋のあたりから聞こえる。赤ちゃんがいるのかな。深夜に大変だな。
翌日も同じ時間に聞こえた。毎晩同じ。同じ歌を、同じ調子で、ぴったり2時から。
1週間続いた。気になって管理人に聞いた。「5階の角部屋、赤ちゃんいるんですね」
管理人が言った。「5階の角部屋は単身者向けのワンルームですよ。住んでいるのは60代の男性です」
「赤ちゃんの泣き声は聞こえないんですか?」
管理人は首を振った。「泣き声は一度も報告ありません。子守唄のことは、あなたで3人目です」
▼ 解説を見る
ワンルームに住む60代男性の部屋から、毎晩2時ぴったりに女性の子守唄。赤ちゃんの泣き声は一度もない。子守唄だけが聞こえ、しかも複数の住人が聞いている。歌っているのは誰で、誰に向けて歌っているのか。
第24問「避難訓練」
5時間目の途中で校内放送が鳴った。
「訓練、訓練。ただいまより避難訓練を実施します。全校生徒は先生の指示に従い、速やかに校庭に避難してください」
またかよ、と思いながら席を立った。でも担任の先生の様子がおかしい。いつもの避難訓練では「はーい並んでー」と呑気に言うのに、今日は何も言わない。顔が白い。
廊下に出ると、他のクラスの先生たちも無言で生徒を急かしている。いつもなら「走らないでー」と言うのに、今日は「走って」と言っている。
校庭に出た。全校生徒がいる。点呼が始まった。
隣のクラスのやつが小声で言った。「なあ、今日の訓練って予定になかったよな」
事前連絡がなかった。先生たちの顔が青い。校長先生が携帯で誰かと話している。手が震えている。
校舎の3階の窓に、誰かが立っているのが見えた。
▼ 解説を見る
予定にない避難訓練。先生たちは「走って」と急かし、顔は青白く、校長の手は震えている。全校生徒が校庭にいるのに、無人のはずの校舎3階の窓に誰かが立っている。これは訓練ではなく、校舎内の実際の脅威から生徒を逃がすための避難。
第25問「文通」
海外にいる友人と文通をしている。月に1通、手紙をやりとりする。
1通目(1月)
「元気だよ! こっちはまだ暑くて大変。仕事は順調。写真送るね」
丸っこい字。いつもの筆跡。消印はオーストラリア。同封の写真は海辺で笑っている友人。
2通目(2月)
「先月の手紙ありがとう。最近忙しくてなかなか書けなかった。でも元気だよ」
字が少し小さくなった気がする。消印はオーストラリア。写真なし。
3通目(3月)
「元気にしてる。こっちはだいぶ涼しくなってきた。日本はまだ寒い? 体に気をつけて」
字がさらに変わっている。角張った字になった。消印はオーストラリア。
4通目(4月)
「元気だよ。変わりない。心配しないで」
一行だけ。筆跡がまったく違う。消印を見たら、オーストラリアではなく日本国内だった。
5通目は来なかった。
▼ 解説を見る
手紙を追うごとに筆跡が変わっていく。内容も減り、4通目は一行だけで筆跡は別人のもの。しかも消印がオーストラリアから日本国内に変わっている。途中から手紙を書いていたのは友人ではない誰か。友人に何が起き、誰が手紙を引き継いだのか。5通目が来ない意味。
まとめ
後編の25問、あなたは何問解けましたか?
0〜5問:上級の壁は高い! まずは前編の初級から再挑戦してみてください。
6〜15問:かなりの推理力。上級問題にも食らいつけています。
16〜25問:意味怖の達人。次のシリーズでさらに難しい問題をお届けします。
問題文だけスクショして友達に「わかる?」と送ってみるのもおすすめです。特に上級は答えの解釈が分かれる問題もあるので、話し合うと盛り上がります。

シリーズ第2弾も準備中です。お楽しみに!

コメント